KIKAIの家 「こんなこと出来たらいいな」が叶う場所

「KIKAIの家」オーナーの梶川英和さん
「KIKAIの家」オーナーの梶川英和さん

 「札幌では、ここにしか無いんじゃないかな」 

2024年4月に出来たばかりの南区にある「KIKAIの家」、オーナーの南区在住の梶川 英和 (かじかわ ひでかず)さんはそう語る。

 「ここしか無い」というのは、木工の加工とデジタル工作が一つ屋根の下で出来る、とても珍しい場所だからだ。真駒内駅を更に南へ行き石山商店街の住宅街にある。

 何本か細い路地を入って行ったところにある一軒家だが、目立たないのでお店だとは分からず通り過ぎてしまう人もいるらしい。でもよく見ると、2階建ての塀には明るいメープル色の木製看板に白字で「KIKAIの家」と書かれた少し変わった字体が目に止まる。
 


 ここで、梶川さんはモノ作りをしている。
木で作った写真のフレーム加工や、レーザー加工機を使って作ったものを販売している。きっとモノ作りをしている人は、「木を削る事とレーザー加工する事が、一つの場所で出来るの?」と思うかもしれない。
それは、木のフレームなどを研磨すると細かい粉じんが舞うので、木工作業は、デジタル機器と相性が悪いためだ。
そこで作業する部屋をそれぞれの部屋に分けることで、一つの場所で作業できるように作ったのが、「KIKAIの家」である。

  梶川さんがモノ作りに関わるようになったのは会社員時代、20年以上前から趣味で写真を撮っていた事がきっかけになる。奥さんの影響で写真をポストカードに印刷する事を始めた。会社員を辞めて、モノ作りに絞ろうと決めたのが10年前の2015年。ポストカードを売るために、木のフレームを作り始めた。道産木材を使ったり、寄木をしてみたりした。百円ショップも使ってみたが、品質がバラバラで統一しない。職人さんに頼んでみたが、5,000円と高額になってしまう。そこで自分で作ろうとしたが、梶川さんはとても不器用なのだそうだ。真っ直ぐに物を切る事が出来ない。どうしても手だと曲がってしまう。そこから出会ったのが、レーザー加工機だった。レーザーは木だけではなく、アクリル素材も切れる。工作の可能性が広がり、梶川さんのデジタルがここから始まった。

 そして2019年にチャンスが訪れる。栗山町のクリエイターズマーケットでのマルシェ出店を機に、町で保管しているレーザー加工機とUVプリンターがある事を知った。栗山町ではパソコンが苦手な方が多く、機械はあるが稼働できず、そのままになっていたようだ。そこで梶川さんが月に2回クリエイターズマーケットでお店番をして、その際に実演としてレーザー加工機等を稼働させる試みを始めた。栗山町までは往復4時間。それを1年間続けた。

 札幌の街なかにあるデジタル機器をレンタルすると、30分でそれなりの金額になる。データー移行で失敗したり、色が思うように出なかったりするとそのコストは、ばかにならない。それに比べ、栗山町では時間を気にせず、何度も失敗を重ねて技術を向上させることが出来たのは幸運だった。作ったデジタルデータと、その出力がすぐに確認できる場所は多くない。

 その様な中、2020年コロナが始まる。試行錯誤で事業を続ける中、ずっと梶川さんが抱いていた想いが大きくなった。「場所をもって全部自分で出来たらいいのになぁ」。そこでデジタル機器を集合させる場所を作るため、「事業再構築補助金」を国の経済産業省 中小企業庁に申請した。その結果色々な方の協力を得て見事に採択を受け、梶川さんの夢が形になる。


 レーザー加工機、3Dプリンター、UVプリンター、電動工具一式。
また部屋を改装し、木工作業の部屋を、デジタル機器を置く場所と切り離し完成させた。

レーザー加工機 3,080円/2時間 アクリル、紙、木材、MDF板、布地、プラスチック等の素材も加工出来る
レーザー加工機 3,080円/2時間 アクリル、紙、木材、MDF板、布地、プラスチック等の素材も加工出来る
3DプリンターFFF(熱溶融積層)方式 フィラメント持込の場合:330円/h
3DプリンターFFF(熱溶融積層)方式 フィラメント持込の場合:330円/h

 南区で暮らす梶川さんが感じているのは、この地域はモノ作りをしている作家が多いという事。だが、木材を使った工芸品を作る年配者の多くは、デジタルに弱い。逆に、パソコンやデジタルに強い若者は、木を切った事が無かったりする。この2つを融合する機会を作る場所に出来ないかと、場所を作りながら考えた。

 また、「KIKAIの家」のパソコンでは「イラストレーター」という有料のアプリが使える。その使い方を梶川さんに教えてもらいながら、デザインを作り3Dプリンターでキーホルダーを作る事も出来る。そんな場所が出来たと、モノ作りをする人たちには早々と口コミで広がり、20~30代の若者が梶川さんを訪ねて来るそうだ。手作りに拘り、結婚式の参加者のネームプレートをここで作った人もいる。
 

 「KIKAIの家」を訪れる人と、1人1人向きあう梶川さんは、モノ作りの拘りを最大限叶えたい、どうしたら叶えられるか、日々時間を忘れ取り組んでいる。


色々な機械があり、思いがけない出会いの機会もつくれる「KIKAIの家」、ここを訪れる人の可能性が無限に広がったらと、話していた。

もいわ塾講師・第1期生 今野純子


KIKAIの家 UVプリンターや3Dプリンターなどの専用機器を使用して、ものづくりを楽しむ家

予約は公式HP https://kikainoie.seasow.net/

メールアドレス [email protected]

<最新情報などをSNSで発信>

公式Instagram https://www.instagram.com/kikai_no_ie/

公式X https://x.com/KIKAI_no_ie

公式Facebook https://www.facebook.com/kikainoie

KIKAIの家でできること

●デジタル工作機室

レーザー加工機やUVプリンター等の最新デジタル工作機をご利用いただけます

木や樹脂の切削やさまざまな素材への印刷が可能です。

アイディア1つで無限の可能性があります。

●フリースペース等

ワークショップやライブ配信等々、使う方のアイディアで自由に使える部屋があります。

工作室

電動工具等を使って木工・樹脂作業が出来る工作室があります。

レーザー加工機で加工したパーツを研磨したり組立・塗装などの際にご利用ください。占有(貸切)利用も可能です。

●#家にお絵描き

部屋の壁に絵を描いて叱られた...そんな経験はありませんか?KIKAIの家では思い切り壁や天井に絵を描いても大丈夫!童心に帰って存分にお楽しみください。1日で描き上げる必要もありません。もちろんお子様もご家族連れも大歓迎です。


●所在地 〒005-0842 北海道札幌市南区石山2条3丁目2-2

●アクセス 最寄りバス停:石山中央から徒歩2分/じょうてつバス 札幌駅から快速8(J)・市営地下鉄真駒内駅から12(J)系統

●駐車場:徒歩1~2分の場所に1台分あり(KIKAIの家にて駐車許可証を受け取ってから車を停める)

土日祝限定で敷地内駐車スペース(1台分)を開放

軽自動車~コンパクトカークラスは駐車可能

●営業時間 10:00~20:00 (定休日:木曜日・第1金曜日・その他店休日あり)

※軽作業スペース以外は完全予約制 ※見学についてはご自由にお越しください

●ご利用対象 どなたでも(小学生までは保護者同伴でお願いいたします。)

●用途 レンタル工房・レンタルスペース

●機器 レーザー加工機・UVプリンター・3Dプリンター等