子ども神輿といっしょに歩いてみた 藻岩神社秋祭り

 

子ども神輿が行く

 神社の石段の横には2メートルもの大きな旗が掲げられ「藻岩神社祭礼」の文字が太陽の下でまぶしくはためいている。社務所も大きな神前幕が掲げられ、準備は整っている。

 涼しい秋風を感じる朝9時30分から、2022年9月11日(日)藻岩神社本祭りが開催された。今回は藻岩神社本祭りの中でも、年長さんから中学生までが参加するこども神輿に密着した。

 

 

 藻岩地区の子ども神輿は、北ブロックの町内会(川沿北、川沿第1、同第2、同第3)と、中ブロック(川沿第4、川沿中央第1、同第2、同第3、同4)と、南ブロック(硬石山、ローズタウン、ビレッジハウス、川沿中央第5、自衛隊官舎)の3つに分かれており、その中でも北ブロックは、参加者が約100名と大所帯だ。

 

 それぞれのブロックをまとめる担当者が参加する子どもの点呼をとり、法被と鉢巻を配る。未就学児は保護者の付き添いが必要なので、保護者達も法被を羽織り準備を整える。

 

 子ども神輿は紅白幕で飾られたリアカーに載せられ、前後に長いひもが取り付けられており、お神輿を中心にひもの外側へ子どもと付き添いの保護者達が100名以上並ぶ姿は圧巻だ。

子ども神輿

 お神輿の他には、賽銭箱と太鼓を持つこども達もいる。50㎝角ほどの小さな賽銭箱を棒の中央にぶら下げ、前と後に2人で駕籠のようにして持つのだが、賽銭箱は軽いとはいえ肩に、棒を抱えたまま長い距離を歩くのは大変だろう。

 この賽銭箱チームは3組いる。その他太鼓をもつチームも駕籠のようにして持つ子どもが2人と、叩く子どもが1人の3人構成だ。

 

 艶やかな提灯と紅白幕で飾られた先導トラックの荷台には、音頭をとる太鼓部隊が順番に乗り込み、お祭りの雰囲気を盛り上げる。

 

 大きな「わっしょい!」の掛け声とドンドンと鳴り響く太鼓の音とともに、子ども神輿がスタートした。

 

 北ブロックは総距離約3.8㎞と、大人でも1時間位かかる道のりを進んでいく。最初の目的地はセブンイレブンの川沿2条店横の空地だ。

 

 朝の涼しさはどこへ行ったのか昼間は26℃まで気温は上がり、たっぷり降り注ぐ太陽の光がまぶしい中こども神輿の元気な声が響き渡る。

 子ども達の元気な掛け声につられるように、近所の方々が写真を撮ったり、手を振ったり賽銭箱にお賽銭を入れようと集まってくる。

 

 気温の上昇と共に、子ども達の足が重くなってきた所でちょうど休憩地点に到着し、子どもには紙パックのジュースとお菓子、大人にも水やお茶とお菓子が配られた。

 

お賽銭
お菓子

 日陰で涼みながら、休憩をとったあとは、旧道(旧国道230号)を通るルートを進む。

 休日の12時すぎでも旧道は車通りが多く、交通指導スタッフが片側交互通行を促しながら、子ども達は元気に歩いていく。

 

 2度めの休憩はケーキ屋さんのポアゾンダブリールから少し入った駐車場で行い、ラストスパートに入る。予定を少し過ぎた12時20頃、子ども神輿は藻岩神社へ戻ってきた。

 

 最後の宮入りは拍子木に合わせて、石段の前でお神輿を直接担ぎ「ワッショイ!ワッショイ!」

 

 終わった後のお楽しみにお弁当とジュース、お菓子を貰って笑顔になる子ども達。例年なら社務所で一緒にお弁当を食べていたのだが、今年は事情がちがう。

 

 藻岩神社敬神講長・船越谷さんは言う。

 「色々と対策を取りながら開催できただけでも良かった。老若男女問わずみんなで集まって交流を深められる数少ない機会なんです。私たちが始めたこの神事を今後も続けていきたい。」

宵宮祭

(文・写真:杉浦圭子 もいわ塾1期生) 2022/10/2