藻岩神社秋まつり 「宵宮祭」、2年ぶりの開催
2022年9月11日(日)に藻岩神社秋まつりが2年ぶりに開催された。前日の10日(土)には宵宮祭(よいみやまつり)も行われ、お祭りを心待ちにしていたたくさんの住民達が訪れた。
藻岩神社の歴史は明治29年、開拓の時代に「山の神社」として藻岩小学校の側に建立されたことから始まった。安全や健康を祈願して、山や海の神様である大山祇神(おおやまつみのかみ)を奉斎(ほうさい)し祭事を行っていたという。
その後、穀物の神である倉稲魂神(うかのみたまのみこと)と、事業発展など万事良い方向へ導く大神、猿田昆古神(サルタヒコ)を合祀(ごうし)し、昭和17年に札幌神社の分霊を受け藻岩神社となった。
昭和45年に現在の川沿4条5丁目に移転して今も地域住民から親しまれている。
長年藻岩地区を見守ってきた、藻岩神社敬神講長・船越谷さんは顔をほころばせながら話す。
「昔は神社を寄合所として地域の人々がお互いを支え合い、公平で良好な関係が築けるよう交流を深めていたんです。地球に生まれ地球に育ち自然の恵みの中で生かされていると感じた人々が天地を奉る神社を大切に思いそれを守り続けていました。今もこの想いは我々に受け継がれ、自然の恵みへの感謝を伝えるべく地域住民が主体となり神事を行っています。コロナの影響もあり、規模は縮小していますが2年ぶりの開催にみんな喜んでいますね」
いつもは駐車場として使われている広場に藻岩神社・宵宮祭の会場が設置された。色とりどりの垂れ幕が並ぶ出店と大きな屋根付きのステージが建てられ、様々な催しが開催された。
午後5時からスタートした宵宮祭は、腹話術・フラダンス・アコーディオン演奏など地域で活躍するエンターテイナー達の活躍を皮切りに、歌自慢を募って行うカラオケ大会や、お楽しみ抽選会など20時近くまで続いた。
カラオケ大会の参加者は80代から6歳の女の子まで幅広く、それぞれ得意の演歌からアニメソングまで自慢の喉を震わせ会場を湧かせていた。参加者には1組につき1,000円分の商品券が渡され「お祭りでお小遣い稼ぎができた」と満面の笑みを浮かべる子どももいた。
敬神講長の船越谷さんの挨拶の後に行われたお楽しみ抽選会は、宵宮祭のメインイベントだ。抽選会の券は、抽選会の券は、地域を通じて各世帯に配られる藻岩神社秋祭りのチラシの角についており、名前と住所を記入してお祭りの当日抽選箱へ入れる。
地域のお店や個人から提供された電化製品や日用品、お米やお茶などの食品まで幅広い景品が並ぶ。1家に1枚配られるチラシのため子どもの名前を書いている家庭も多く、景品と当選者が読み上げられるたび可愛らしい歓声が上がり会場が大きく湧いた。
つぼ八の商品券が当たった男の子は「当たればとにかく嬉しい。」と顔をほころばせて、友達からヒーローのように称えられていた。
2年ぶりの宵宮祭は大盛り上がりで幕を閉じた。
(文・写真:杉浦圭子 もいわ塾1期生)