
10月18日、もいわ地区センターの多目的ホールで開催された「もいわ寄席」。
落語や漫才を楽しめる内容として、もいわ地区センターが企画したイベントです。今回が初開催にも関わらず、予想をはるかに上回る申込があり、満員のお客さんで賑わっていました。地域の人たちの落語や古典芸能への関心が高さをうかがえます。
登壇したのは、真打・林家とんでん平さん。そして、とんでん平師匠が率いる「落笑会」のメンバー、笑くぼ家みるきぃさん、甘味家ぷ~さんの3人。会場は終始笑いに包まれていました。
「あたパラ」漫才 ~林家とんでん平&笑くぼ家みるきぃ~
「もいわ寄席」最初の演目は、とんでん平さんと笑くぼ家みるきぃさんがコンビを組む「あたパラ」による漫才です。英語講師としても活動しているみるきぃさんは、英語と日本語の言葉の違いや言いまわしの面白さを漫才に取り入れながら、師匠と軽快な掛け合いで会場の笑いを誘っていました。例えば、連日のように報道される熊について、「北海道の人たちは熊の発音がとっても上手です。普段から、ここに行くべや、あそこに行くべやと、熊=ベアBearの発音を練習していますね。」と話すと会場は大爆笑。お揃いの白いオーバーオールも似合っていました。

実はこの「もいわ寄席」の実現には、みるきぃさんが大きく関わっていました。過去に藻岩地区でも英語を教えていたみるきぃさん。その元教え子で、もいわ地区センターのスタッフでもある中川美香さんが、地区センターで落語会を開いたらどうだろうかと考え、みるきぃさんに相談をしたところ、師匠であるとんでん平さんを誘ってくれて「もいわ寄席」は開催に至ったそうです。

「あたパラ」漫才のあとは、「落笑会」のメンバー・甘味家ぷ~さんが登壇。披露したのは「置泥」。盗みに入った泥棒が、家の主人に出くわして殺そうとするが、主人は博打ですっからかんになったから逆に「殺してくれ」と頼んでくる。殺すわけにもいかず、話を聞いていくといつの間にか、道具や着物の請け出しの金、食事の金まで泥棒が払ってあげるという立場逆転のおかしなストーリー。最初は強面だった泥棒が徐々に情に溢れた人物に変わっていく様を、皆さん楽しんでいました。
いよいよ林家とんでん平さん登壇 35年続ける手話落語の醍醐味
さて、もいわ寄席のラストを飾るのはもちろん林家とんでん平さん。とんでん平さんが35年にわたり続けている手話落語で、古典落語「初天神」を披露されていました。何も買わないという約束で縁日に出かけた親子の話。手話がついた落語は、内容がすっと入ってきやすく、聴いて楽しい、見て楽しい落語でした。
とんでん平さんが手話落語を始めたのは、ある落語会で前列にいた男性が全く笑わなかったことを不思議に思い、その後、係の人に聞くと、聴覚に障がいがある方だと分かったことがきっかけでした。障がいのある人にも落語を楽しんでほしい、笑ってほしいと思い、とんでん平さんは手話落語を始めたそうです。
例えば美味しいという表現も、手話と交えながら美味しいものを食べる仕草をすれば、落語を始めて知る小さなお子さんにも、日本語が分からない外国人の方にも、その美味しさ、表したいことが伝わります。
手話落語は老若男女、障がいの有無に関わらず一緒に楽しめる落語として、近年特に評価されており、とんでん平さんのところには全国から手話落語をやってほしいという声が届いているそうです。
最後は「どんぐりころころ」を手話付きで
「もいわ寄席」の最後は、とんでん平さんがレクチャーをして会場の皆さんと手話付きの「どんぐりころころ」を歌いました。手を動かし、笑い合い、一体感を感じられる締めくくりとなりました。終了後は、ロビーにて登壇者全員がお客様をお見送り。会場を後にする皆さんの溌剌とした表情から満足感が伝わってきました。
人の心を元気に豊かにする落語。「もいわ寄席」の次回開催にも期待したいです。
取材:御手洗志帆(もいわ塾)

