藻岩アイスキャンドルコンサート取材
取材2026年1月23日、藻岩小体育館
文・写真 佐々木寧子

大寒を迎え札幌は、最低気温が氷点下10度を下回る日が続いていた。1月23日(金)午後5時から「藻岩アイスキャンドルコンサート」が藻岩小学校体育館(札幌市南区川沿7の2)で開かれた。
午後4時過ぎ、校門前には4年生が作った色とりどりのアイスキャンドルに灯がともされ来場者を迎えた。
出演は札幌交響楽団で長くオーボエの首席奏者を務めた岩崎弘昌(いわさき ひろまさ)さんが率いる「アンサンブルグループ奏楽(そら)」。この日はオーボエ、フルート、ホルン、バイオリンにピアノを含めた5人が演奏した。

子どもたちに優しい和やかなコンサート
クラシック音楽には格式の高いイメージがあるが、このコンサートは「0歳から入場可能」で無料。子どもたちも一緒に楽しめる工夫が随所に仕込まれていた。
会場を埋めた約200人の年齢は幅広く、まさに0歳からおじいちゃん、おばあちゃん世代まで。子どもたちの姿がたくさん見られたのが一番の特徴に思われる。
ステージは段差のないフロア―に設けられ、観客と演奏者の距離が近く、互いの表情や息遣いまでよく伝わる。譜面台やピアノには純白のイルミネーションがあしらわれていた。
プログラムにはクラシック音楽の作曲家や耳慣れない曲名が並ぶが、実は誰でも耳にしたこととのあるメロディーが次々登場するので聞き飽きない。

会場から手拍子も
例えばイタリアの作曲家モンティを知らなくても「チャルダッシュ」という曲はたぶん聞いたことがあるだろう。フィギュアスケートの浅田真央さんが2006~2007年シーズンのフリー演技に使ったハンガリーの地方色豊かな楽曲だ。哀愁が漂うゆったりしたテンポで始まり、突然、躍動的に切り替わる。
この日はバイオリニストの長谷川加奈(はせがわ かな)さんが前田朋子(まえだ ともこ)さんのピアノ伴奏で独奏を披露。演奏しながら客席をめぐり、弓がしなるような情熱的な演奏を見せるが、一転して速い曲調に変わると、テレビなどでよく耳にするメロディーが登場し、会場から手拍子が沸き、観客と演奏者に一体感が生まれた。


ホルンの管は3・6メートル

もう一つ、モーツアルトのホルン協奏曲第1番も、実はなじみ深いメロディーだった。ホルンを演奏した畑田咲藍(はたけだ さくら)さんは、「ホームセンターで買ってきた」という3・6メートルのホースを使ってカタツムリのように丸めた楽器の構造を説明。片側に音を出すマウスピースを挿し、反対側に漏斗(じょうご)を取り付けて息を吹き込むと、音量は小さいけれどホルンのような音が出た。観客の子どもはホースに手を触れて振動を感じて目を丸くしていた。
プログラムは12曲、アンコールで2曲
フルートの佐藤香澄(さとう かすみ)さんはJ.S.バッハの「ボロネーズとバディネリ」を演奏したが、これもよく聞くメロディー。岩崎さんはドボルザークの新世界交響曲の第2楽章で有名な主題「家路」を、オーボエより一回り大きなイングリッシュホルンで紹介。ピアノの前田さんのソロは「トルコ行進曲」だからこれは赤ちゃんでも知っているかもしれない。
プログラムは12曲だったが、アンコールが2曲で、1曲目が札幌オリンピックの歌「雪と虹のバラード」、最後は、葉加瀬太郎の「情熱大陸」で盛り上がった。



藻岩アイスキャンドルに花を添える
このコンサートは、札幌市南区地域振興課が企画する冬の恒例イベント。本年度は藻岩地区での開催が決まり、藻岩地区町内会連合会と藻岩小学校が主催に名を連ねた。
高齢者も子どもも、プロの演奏を間近に聞くチャンスは多くない。特に、コロナ禍で演奏会の中止が続いたこともあり、子どもたちが生の音楽に触れる機会は貴重だった。
翌日から開催する「藻岩アイスキャンドル」(1月24・25日に藻岩地区の14町内会が一斉に開催)の取り組みに、すてきな花を添えてくれた。





