モイワと名の付く植物たち~藻岩山は植物の宝庫~

取材:湯口睦子(もいわ塾4期)

 4月、植物が芽吹きはじめ、藻岩山登山が楽しい季節になりました。

 札幌市民にとって馴染深い「藻岩山」。

 明治時代に札幌の街づくりが進められ、各地で貴重な原始林が失われていく中で、藻岩山の中の「藻岩原始林」と円山の「円山原始林」の2つは、1921(大正 10)年、北海道で第1号の天然記念物として指定を受けました。

 以来、身近な研究の場所として、ここから高名な植物学や昆虫学の学者が育つと共に、札幌市民の「憩い」と「学び」の場になっています。

 藻岩山で発見され、「モイワ」という名が付く植物がいくつかあると聞き、豊平区平岸にある札幌市博物館活動センターを訪ねました。

 取材に快く応じてくださったのは、学芸員の山崎真実さん。

 天然記念物として保護されてきた歴史を持つ藻岩山の植物・木の種類は500〜600(コケ以外)種類にのぼり、植物の宝庫と言われています。

 山崎さんも「札幌の中にあり市民に親しまれながらも、藻岩山にはこれほどの種類があることは、天然記念物として保護されてきた価値をいっそう高いものにしています」と教えてくれ、参考になる書籍も幾つか紹介してくれました。

モイワと名のつく4つの植物

 今回のテーマである「モイワ」と名のつく植物についても教えていただきました。

 

 山﨑学芸員「『モイワ』と名のつく植物は4つあります。ここで紹介する種類は全て固有種ではありませんが、藻岩山で発見された等ゆかりがある植物です。」


・モイワシャジン

岩場にあるため登山道では見つけにくい。

もしかすると頂上あたりにあり。

日本で初めて見つかったのが藻岩山(世界的には学名がついていた)

 

 ・モイワナズナ

藻岩であれば、もしかすると南側の崖にある(?)白い花

 

 ・モイワボダイジュ

樹木 シナノキより葉が大きい。葉が薄く裏面の毛は少なく緑。

 

 ・モイワラン

菌と共生する特殊な生き方をしているため葉っぱがない。

札幌の高校教師が藻岩山で初めて発見し、サイハイラン(葉のある)の変種として論文発表した。

その後、別の研究者が青森県下北半島でも発見し、さらに詳しく検証した結果、新種として認められた。

 


6月6日~7月4日 ミニ展示『藻岩四天王〜名前にモイワを冠した植物』開催予定

 札幌市博物館活動センターでは常設展示にモイワランが絶滅危惧種であることなどの解説展示があります。また、6月6日〜7月4日まで『藻岩四天王〜名前にモイワを冠した植物』のミニ展示が予定されており、押し花標本などの実物が見られるそうです。 

 モイワを冠した植物にご興味を持ってくださった方、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。 


札幌市博物館活動センター

〒062-0935 札幌市豊平区平岸5条15丁目1-6

開館日時:火曜日~土曜日 10時00分~17時00分

休館日:日曜日・月曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)

電話:011-374-5002

HP:https://www.city.sapporo.jp/museum/guide/index.html

博物館活動センターの展示室内には平成15年(2003年)に札幌で発見された世界最古の大型カイギュウ「サッポロカイギュウ」(全長約7m)の骨格復元標本や、現在研究が進められている小金湯産クジラのレプリカ標本、昆虫や植物を裏側や側面からも手軽に観察できる樹脂封入標本も多数展示されています。


< 協力および写真提供> 札幌市博物館活動センター、学芸員の山崎真実さん

<参考文献・HP>

・札幌市博物館計画「ミューズ・レター」2002年2月NO.10

https://www.city.sapporo.jp/museum/museletter/documents/muse10.pdf

・国指定 天然記念物

https://www.city.sapporo.jp/shimin/bunkazai/pdf/documents/p22_moiwa-maruyamagensirin_ol.pdf

・天然記念物藻岩原始林(碑)

https://www.city.sapporo.jp/minami/ishibumi/chiku0103.html

 

・北海道新聞社/梅沢俊 著「山の花図鑑 札幌市 藻岩・円山・八剣山」

・北海道新聞社/さっぽろ自然調査館 編著「自然ガイド 藻岩山・円山」