バードウォッチング暦40年

日本野鳥の会札幌支部長  猿子正彦さん (中丿沢町内会)


猿子正彦さん

 

 猿子正彦さんは、日本野鳥の会札幌支部長である。

 日中は区役所の職員として勤務していて、休みの日は野鳥の会の仲間とバードウォッチングを楽しんでいる。

 「日本野鳥の会」とは野鳥を保護するための活動をしている自然保護団体で、全国様々な場所に支部がある。猿子さんはバードウォッチングを初めて40年ほどになるという。真駒内公園を散策しながら、様々なことを教えて頂いた。

 

 バードウォッチングの魅力は、いつでも、どこでも、誰にでもできる趣味であること、また、野外を歩くので健康的で、気軽に楽しめることだそうだ。双眼鏡と鳥の図鑑の費用くらいで始められるので、「安上がりで良い趣味だよ」とすすめられた。何より普段の退屈な散歩も、鳥を見ながらだと様々な発見があり楽しいそうだ。

 

 また、猿子さんは南区に来て28年経つ。南区は自然がたくさんあり見どころ満載で、カワセミやクマゲラなどの様々な鳥を観察できるので、バードウォッチングにうってつけなのだそうだ。更に南区の人は人柄がよくおっとりしていて、暮らしやすくてお気に入りの場所とのことだ。

一緒にバードウォッチング

 「ヒヨドリはヒーヨヒーヨという鳴き声からそう名付けられたんだよ。夏鳥なので冬になると渡っていたけど、ナナカマドなど冬でも実のなる樹木があったり、冬にそれぞれの家に餌台を置いて野鳥を楽しみましょうと野鳥の会でお願いしたおかげで、ヒヨちゃんは冬でも見られるようになったんだ」

 「スズメくらいの大きさのゴジュウカラは脚が強いので、木の幹を上下に降りられる。生きの良いお兄ちゃんのようなガラッパチな性格で、キツツキが作った巣穴を横取りしてしまうんだ」
 「一番好きな鳥はスズメかな。マニアックなところでいうとシマアオジ。国外での密猟のせいでとても減ってしまったけど、ほんの少し最近増えてきてくれてね」

一緒に双眼鏡をのぞく

 そう気さくに話す猿子さんはとても楽しそうで、生き生きとしていた。

山育ちということもあり、子供の頃から鳥が好きだったそうだ。小学校の文集には「北大に入って鳥の学者になる」と書いていた。

 

 「野鳥の会に入ったのは、鳥を守りたかったから。森林伐採などにより年々鳥が減少してしまっている。一人では難しいが、同じ思いの共有できる多くの仲間と一緒に行動すれば大きな力になり、自然を守るための様々な活動ができる。これからも楽しく守っていきたい」と猿子さんは語ってくれた。

 

 野鳥にとって良い環境は人間にとっての住みやすい環境にも繋がる。また、鳥の知識があるかないかで、大袈裟かもしれないが世界が違って見えるだろう。我々の暮らしを守る、とても大切で素敵な活動だと感じた。

 

日本野鳥の会 札幌支部 ウェブサイト

https://sapporo-wbsj.org/

 

<文責 平沢摩阿椰>