川沿４条のケーキ屋さん

　入り口のドアを開けると大きな「５」のバルーンが迎えてくれるミルティーココ。2023年で５周年になった。川沿の旧道、川沿湯の並びに店はある。オーナーの高橋秀明さんは、この場所に店を構える前は東京・大阪の大手洋菓子店の札幌支店でパテシエとして勤務していた。

　「店を出すなら、妻の地元の川沿と決めていたし、近隣のお店も、もともと地元に住んでいた人が営んでいる方も多いので愛着があるんです」と話す。

　「藻岩地区が若い人が増えて、活性化していければいいなと思っています」と、地元愛も強い。

　ショーケースにはたくさんの種類のケーキが行儀よく並んでいる。上段には定番のロールケーキ、プリン、色とりどりのマカロンが、下段にはクリームやフルーツソースが何層にもサンドされた四角いショートケーキやちょこんとトッピングが乗った丸いケーキが幾種類もあって、それぞれの素材は何種類あるのだろうと驚くほどだ。高橋さんは、「ケーキは毎日食べるものではない。だからこそ、家では作れないもの、非日常を味わってもらいたいと一所懸命作っています」と真剣な眼差し。厳選された素材は栗山町の卵や、道産の生クリームなどを使っている。

　ケーキを一部であるが紹介しよう。

　写真左奥から時計回りに

　
・ハッピーウエディング　　

ハート型のチョコ、マカロン、いちごの下には５層のスポンジ、クリーム、ムースなどが。酸味とチョコ、そしてクリームのバランスが絶妙。

・ミルティロール

店名を冠するロールケーキ。生地は柔らかくもしっかりしていて、ミルキーなクリームは甘さがしつこくない。

・ガトーショコラ

スフレタイプなので口溶けがよく、上にはブラウニーがのっている。

・和栗のモンブラン

たてに中を割ってみてほしい。クリームとスポンジが隠れている。濃厚な和栗ペーストが濃厚だ。　

・ぷりんタルト

フルーツタルトの上にプリン。昔ながらのヤワじゃない、卵とミルクの風味たっぷりのプリンとタルト生地のサクサクの落差が楽しい。

・れもんショートケーキ

さっぱりしたレモンクリームと生クリーム、しっとりしたスポンジに挟まれたのが爽やか。

　高橋さんの言う「 非日常」のケーキのほか、120円から買える焼き菓子や、マカロン、カヌレなどたくさんあるのでぜひ日頃のおやつでも味わってみたい。

（文・写真：大本恵子　もいわ塾1期生）