サンク珈琲香房

 

  川沿10条2丁目の交差点に「自家焙煎 珈琲豆」と「バトミントン専門店」の2つののぼりが見えるお店がある。そこが「サンク珈琲香房」だ。

 

サンク珈琲香房

 

 店に入ると、産地の書かれたコーヒー豆の入った瓶が数多く並んでいる。他にも、バドミントンラケットやストリングマシンなどのバドミントン用品がなぜか置いてある。それは店主の阿部祥治さん自身が東海大学附属札幌高校のバドミントン部の指導をしていることや、こだわって自らラケットのガットを張っていることが関係している。

 

並んだコーヒー豆

 

  奥には見たことないような大きいスピーカーが置いてあった。それは、映画館用のものだということもありとても迫力があった。まさかコーヒー店に来て、映画館用のスピーカーをこんなに近くで聞く貴重な体験ができるとは思ってはいなかった。また、「GA」という建築の本が何冊か置かれていた。

 

 阿部さんは、もともと建築関係の仕事をしており、40年以上南沢に住んでいる。南沢は空気が澄んでいて美味しいことや地盤が硬くて災害に強いことなどが気に入っているそうだ。建築の仕事を引退した後、現役時代のモットーである“こだわる”ことそのままに、この土地でコーヒーやバドミントンのお店を開いた。

 

並んだバドミントンラケット

 

 コーヒーに対するこだわりは、豆の選別から最後の淹れる工程までの全てである。阿部さんは手軽に美味しく飲んでもらうために、値段の高いコーヒー豆ではなく手頃な値段の珈琲豆を選び抜いている。それも、採れてから時間を置いていない新鮮なコーヒー豆を使用している。新米が美味しいのと同じ理屈だそうだ。

 

阿部祥治さん

 

 焙煎方法はまず、生のコーヒー豆を洗い、ハンドピックで三回に分けて一つずつ選定していく。豆を洗うと味がまろやかになるそうだ。そのあとはお店にある4kgも焼くことができる焙煎機で焼いていく。コーヒー豆の保存方法としては一般的に、常温で置いてあるのが普通なのだが、あえて冷凍にする。冷凍にすることで、コーヒー自体の香りが飛ぶことを抑えられるのだ。サンク珈琲香房の豆は全て上記の方法で作られ保存されている。店頭に並んでいる瓶に入っているものは見本だそうだ。さらに、北海道は年中本州に比べて湿度や温度が低いため豆の鮮度が保ちやすい。

 

   阿部さんのコーヒーの淹れ方はハンドドリップ。フィルターは酸素漂白ペーパー(白色のフィルター)をおすすめしている。挽いた豆の量はコーヒーを何杯飲むかによって決まってくる。例えば、1杯飲むとしたら15g入れるそうだ。お湯を注いで入れ終わった時にフィルターに入っているコーヒー粉がすり鉢の形になっているのが理想だそうだ。

 

 コーヒー豆の種類が多くて何を買ったら分からない、本格的なコーヒーを試してみたいという方は阿部さんに相談してみるいい。自分にあったコーヒーがきっと見つかるはず。コーヒー豆の袋には過去に東海大学デザイン学科の生徒がデザインしたシールが使われている。

 

文・写真:林芽久美(東海大学国際文化学部デザイン文化学科)

(2021/09/14)

 

 

 

〒005-0810 札幌市南区川沿10条2丁目4-8

011-571-3355

営業時間 10:00~19:30

定休日 日曜日

 

※地図に店舗の名前が表示されない、また同じ名前で違う場所が表示される不具合が稀に発生しております。申し訳ありませんが、ご確認の上ご利用ください。