地域の皆様に愛され、楽しい一時を演出するスイーツを目指して
2000年4月1日、藻岩山麓の南区川沿に洋菓子店ポワソン・ダブリールは開店した。4月1日は家族や友人、恋人同士で魚の形のお菓子を贈り合うフランスの慣習「poisson d’avril(ポワソン・ダブリール)」の日。家族に、友人に、そして特別な日に彩りを添える贈り物として親しんでもらえるようにという思いを込め、この店の名前がつけられた。外観でパッと目を引く緑色のオーニングには魚が描かれ、お店の目印になっている。
従業員およそ30名を束ねるのは店長のパティシエ・野上寧英さん。野上さんはこれまで経験してきた全店舗の「新鮮なものを提供すること」「お客さんに支持してもらえるお店にすること」といったこだわりを凝縮し、今のポワソンダブリールを作り上げた。
お店を訪れる人々は、学生から子供連れの家族、高齢者までさまざま。安心して食べられるこだわりの材料と、親しみやすい雰囲気が広い客層から評判を集めている。
材料は主に北海道産のものを使用。少量ずつ焼き上げるため、新鮮なものを新鮮なうちに食べられる。アレルギーや詳しい要望にも対応していたり、小さなお子さんがいても安心して食べられるよう洋酒やリキュール類を少なめにしているのも利用者には嬉しい点だ。
いちばん人気でお店イチオシの、カスターシューは「パリッ、サクッ」とした食感のシュー皮に天然バニラビーンズを使ったカスタードクリームがたっぷり入ったボリューム満点の一品。130円という手頃な値段で部活帰りの学生にも優しい。ケーキだけでなく約50種の焼き菓子や、夏にはソフトクリームも販売され、お店には活力ある雰囲気と魅力的な商品で溢れている。新鮮であるだけでなく、一つ一つ愛情を込めて作り上げ、地域の方々に愛される洋菓子店なのだ。
お店がある川沿は、野上さんが卒業した東海大学附属第四高等学校(現・札幌高等学校)近く。
自らを育ててくれたこの地に恩返しをしたいという思いから川沿での開店を目指した。学生の頃から変わらぬ街の温もりを感じつつ、更なる街の発展を期待しているという。地域の人に愛される洋菓子店に欠かせないのは美味しいお菓子と、スタッフの愛、そしてお客さん。もっと多くの方々が藻岩地区で暮らし、お店に訪れて欲しいと考える野上さん。地元を愛し地元に愛されるお店づくりが見つけられた。
文・写真:安藤里(東海大学国際文化学部デザイン文化学科)
(2021/9/10)
ポワソン・ダブリール
営業時間 10:00〜19:00 毎週水曜定休
札幌市南区川沿5条3丁目1-10
TEL:011-571-7387
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