キッズスペースがある「子連れカフェ」
「café SUVACO」は北海道内のケーキ屋やレストランでスイーツ作りの経験を積んだ野坂実紀さんが営む「子連れカフェ」のお店。「自分のカフェを開くなら子供連れでもゆっくり食事を楽しめる環境をつくりたいと思っていた」と3人の子どもを育てる母親としての野坂さんの経験から始まったお店づくりだ。
自然豊かな南区川沿にある店舗は、石山通から住宅街に向かった中にある。賑やかなバス通りからは一変、木の温もりと柔らかな緑色のドアが迎えてくれる、ナチュラルな佇まい。靴を脱いでお店に入ると、眠ったりハイハイをする赤ちゃんと同じ目線になれるローテーブルでのんびり。こだわりの道産小麦・乳製品、国産バターをふんだんに使った温かい料理を子供と一緒にくつろぎながら食べられる。
さらに、キッズスペースとおむつ替えを備えており、クッションの貸し出し、離乳食の温めなどにも対応している。このきめ細やかなサービスは、子育てをする母親だからこそわかる「こんなお店があったら嬉しい」を形にしたもの。いつもの食事とは違う、子育てをするパパ・ママ、そして子どものための食事が待っている。
野坂さんが取り組む活動は他にもある。
SUVACOから徒歩数分の場所にある「天然酵母パンとおやつSUVACO-HANARE-」はcafé SUVACOの2号店。野坂さんの作るパンとおやつだけでなく、ここではさまざまな人の自作パンやお菓子、ハンドメイド作品などを楽しめる。「食と場からつながりを提供したい」とシェアキッチンと販売場所として活用。札幌中から利用者が集い、交流を深める新たなコミュニティの場として、HANAREには人が集まっている。
工夫の詰まった店舗だが、訪れることが難しい人にもSUVACOは寄り添う。野坂さんはキッチンカーで出張カフェを行い、個人で活動していた知識を活用し「M Labo」を起業した。本格的に「キッチンカー運営」のノウハウを学び、他のお店とコラボ、シェアしており、今ではSUVACOの1つの顔となっている。
「M Labo」はキッチンカーだけでなく、小金湯エリアにキャンプ場を作る計画を進めているそうだ。忙しい日常に、少しの特別な時間が贅沢に思える。それを「M Labo」は叶えてくれる。
南区の人口を増やしたい。野坂さんは南区の魅力を確かに信じている。食・自然・温泉の揃う、札幌という大都市の中にひっそり存在する癒しの空間。その魅力はもっと広められるものであり、子供も大人も楽しめる場所になるはず。野坂さんは、いろんな人がたくさん集まる仕掛けを、これからも作り続けていくだろう。
文:安藤里(東海大学国際文化学部デザイン文化学科)
※地図に店舗の名前が表示されない、また同じ名前で違う場所が表示される不具合が稀に発生しております。申し訳ありませんが、ご確認の上ご利用ください。
SUVACO-HANARE
札幌市南区川沿11条3丁目2-3
営業時間 :11:00 ~ 16:00(不定休)