主任児童委員として子どもたちと関わる

狩野純子さん(硬石山町内会

 狩野純子さんは藻岩地区に2人いる主任児童委員のひとりだ。主任児童委員とは民生委員の範疇で、民生委員が高齢者の見守りを主にするのに対し、児童員は0歳から18歳までの子どもや未成年が対象だ。一期3年の任期で、現在4期目を務めている。

 

 藻岩南小、藻岩小の2校の「学びのサポーター」でもあり、週に5日間はどちらかの学校にいる。子どもたちには「先生」と呼ばれる。入学式、卒業式、学内での発表会、運動会に参加することも多い。もいわ幼稚園の手伝いもしており、子どもと触れる時間はとても多い。


 小学校の先生たちから、子どもが悩んでいる、家庭内暴力が疑われる、というような相談も寄せられる。

 落ち着かない子、廊下をぐるぐる散歩している子、そんな子供たちが明らかに増えてきた、と狩野さんは言う。

 「最近どう?」といった感じで自然に声をかける。先生だけでは対処に限外がある。そんな時が狩野さんの出番だ。教室に入れない子を外に出して、一緒にいてあげることもある。児童委員には研修会もあり、いろいろなケースの対応を学ぶ機会もある。冬でも半袖で学校に来る子を見れば、家庭環境の悪化や親のネグレクトの可能性も考える。

 「信頼関係ができれば子供たちは話してくれます」と狩野さん。毎日、幅広い年齢の子どもと関わる。「たぶん子どもと関わるのが好きなんでしょう」と屈託がない。

 

 藻岩南小一階にあるミニ児童館で「なかよし広場」という入園前の幼児と親を対象とした子育てサロンも主催している。夏休み冬休みは使えないが、ここが子どもや親の雑談場所や居場所となっているという。最近は子どもを小さいうちから幼稚園保育園に預ける傾向が強く、遊びに来てくれる親子さんが減っている、と狩野さん。

 

 川沿に住んで28年になるが、少子化が感覚的にわかるという。「公園で遊んでいる子どもが少なくなった」ことを実感するという。

 藻岩地区には「のびのびとした子どもが多い。子育てはしやすかったですね」と、3人の子どもを育てた経験を語る。

 「この地域、引っ越してきた当初は町から遠くて寂しいと思ったこともありましたけど、住めば都、今は快適です」