ブーランジュリー・マルゼルブ

旧道沿いにあるハード系パンのお店

 川沿の旧道沿い、ファミリーマート向かいにあるレンガ調の建物が4棟並ぶ中の1棟に、こじんまりとしたパン屋さん「ブーランジュリー・マルゼルブ」がある。

 「毎日食べられるパンを提供したい」と話す店主の山手裕介さん。マルゼルブは2009年9月11日にオープンし、2023年の9月で丸14年を迎えた。

 

 山手さんは調理の専門学校を出た後、洞爺湖にあるウィンザーホテルのベーカリー部門オテル・ド・カイザーに勤めた。ベーカリーで働いていくうちに自分一人でパンを作ってみたいという夢が生まれた。店を持つなら自分の地元である川沿に持ちたいという想いがあった。今の店舗の物件と出会い、27歳の時に念願のお店をオープンした。販売を担当する奥様とはウインザーホテル時代に出会った。

 

 マルゼルブは日替わりも含めて約30種類のパンを出している。平日は近所から買いに来る人が多く休日になるとパン好きの人達が遠くから買いに来る。

 

 こだわりは、高温で焼成する事、9種類の小麦粉をパンに合わせて配合を変えている事、低温長時間発酵でじっくりゆっくりと発酵させる事、天然酵母を使用している事だ。

 

   お店の一番人気はクロワッサンマルゼルブ。全粒粉を使った生地に風味豊かな発酵バターを使用したこだわりのクロワッサンだ。他にも切れ目が綺麗に入ったバゲットマルゼルブもクロワッサンと並ぶ看板商品だ。甘いあずきが入ったあずきのリュスティックやドライフルーツ、チョコが入ったパンはおやつ感覚で食べられ子供にも人気だ。その他、季節限定の胡麻と柚子香るさつまいものパンなど限定パンも人気だ。

 

 マルゼルブのパンは天然酵母を使用した生地を低温長時間発酵する事で粉の旨味が引き出され、その生地を高温でしっかりと焼き上げる事で香ばしく表面がバリッとした噛む度に味わい深いパンが作られている。

 

 どのパンもしっかりと焼いてあるので噛めば噛むほど味わい深い。

 そして、クロワッサンやバゲットにもついているマルゼルブという店名の由来を聞いてみた。ウィンザーホテル時代に、パリのマルゼルブ通りにあるお店に研修に行った事がきっかけで、「初心を忘れないために」と名付けられた。

 

 14年も愛され続ける理由はこの初心を忘れないという謙虚な気持ちがあるからなのだろう。山手さんにとってはこの14年はあっという間だったそう。

  最後に藻岩地区について聞いてみた。

 「温かく優しい人が多く、美味しいお店も多いので魅力的な町だと思います。今後も暮らしている方が幸せで他の地域から見ても魅力的な町にどんどんなっていって欲しいです」と話してくれた。

 

(文・写真:太田真代  もいわ塾2期生)

ブーランジュリーマルゼルブ

札幌市南区川沿4条3丁目2-12 

011-596-0339

定休日 水曜・木曜

 

営業時間 8:00〜18:00 ※売切れ次第終了