キノコに魅せられて

札幌キノコの会 第4支部長 平井美昭さん(川沿第4町内会)、事務局長 吉成孝志さん(川沿中央第2町内会)

 南区の森林等をホームグラウンドにして、キノコの生態観察、食毒の野外研修、鑑定を行っている「札幌キノコの会第4支部」。

 支部長の平井さんがこの会に入会したきっかけは、飲食店で偶然出会った人から、キノコへの熱い想いを何度も拝聴しているうちに、興味がどんどん湧いて来たからだ。2010年に入会。キノコといえば「ラクヨウ」くらいしか知らず、最初の採集会では本当に「ラクヨウ1本しか採集できなかった」が、その後どんどん種類が増え、面白くて仕方がなかった。今では同じ目的を持った新しい仲間が立派なキノコを採集すると自分のように嬉しいと語る。

 

支部長の平井さん(左)と吉成さん
支部長の平井さん(左)と吉成さん

「野山歩きは気持ちがいいので、みなさんも『公開講座 桜山キノコ研修会』に参加してほしい」と平井さん。若い人や小さいお子さんも大歓迎と間口も広い。2022年は5月第1土曜日から10月第4土曜日まで開催している。会員でなくても無料で参加できる講座だ。

 

 吉成さんは入学した北海道教育大学の研究室が菌類の研究をしていて、ここの指導教官が菌類では世界的にも有名な大谷吉雄教授だった。秋になると保健所や中央市場から沢山の人がキノコ鑑定を依頼しにやって来る。しかし教官は「君達、見ておいてください」と言って授業に行ってしまう。何もわからないまま手書きの図鑑を見ながら数人で鑑定するのだが、わからないのが悔しくて悔しくて、『原色日本菌類図鑑全八巻』を東京まで買いに行き、冬休みに毎日読み漁った。今のキノコの知識は50年前のこの時のものがほとんどで、現在でも一般の方からも鑑定依頼があるそうだ。

 

たくさんのキノコ
桜山キノコ研修会で皆の採取したキノコを鑑定

 秋になる前に区民センターや生協でキノコ展示会を開催しているのを見たことがある人が沢山いるのではないだろうか。札幌キノコの会では札幌市の後援を受け、毒キノコによる中毒事故防止の一助になることを願って主催している。

 コロナのせいでここ2年は開催出来なかったが、2019年には可食キノコ、毒キノコなどを展示、相談者も多数だったという。2022年は「第27回南区きのこ展」が9月10日と11日の2日間、コープ札幌ソシア店で開催される。10月には円山動物園で菌類を学ぶための展示を開催するので、こちらも興味深い。

 

アミガサタケ(平井さん提供)
アミガサタケ(平井さん提供)
ベニテングダケ(平井さん提供)
ベニテングダケ(平井さん提供)

公開講座、きのこ展など詳しくは「札幌キノコの会」ホームページで

http://sapporo-kinokonokai.com

 

(文・写真:大本恵子)《もいわ塾1期生》
 2022.9.2